Imaginarium - Interviews - "Tuomas, you're crazy as a loon, but the idea's amazing!"

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Tuomas がプロジェクトのコンセプトを明かす「おまえは頭がおかしい。けどアイディアは抜群だ!」

“Imaginarium”のコンセプトはどのように生まれたのですか?

前作を完成させたとき、必ずしもこれ以上の迫力や力強さを求める必要はないと感じて、地平線に見える確かな道筋の行方が見れれば……そして新しい挑戦に、これらについて考え始めたんです。そして啓示がありました。Nightwish が聴覚による経験しか与えられなかったのは何か理由があるのか、と。そして、なぜ視野を広げようとしないのか、と。コンセプト・アルバムのアイディアは既にありましたが、各曲のビデオを撮影してそれぞれを結びつけられないか、1本の物語にできないかと思いました。作りたいのは、言ってみれば Pink Floyd や Kiss、Lordi や何かのように、映画プロジェクトと比較できるような、全てが絡み合うものです。

このプロジェクトは2年半前、2008年8月初頭に始まりましたね。

監督を務める Stobe Harju とは“The Islander”のビデオ以来で、お互いに同じ波長を持ち、気違いのように空想好きということが既に分かっています。彼に自分のアイディアを打ち明けた時、彼は即座にこう言いました。「Tuomas、お前は頭がおかしいよ。でもアイディアは抜群だ。早速プリ-プロダクションを始めよう!」

コンセプトの最初は、まず13本のミュージック・ビデオを撮影し、それをひとつにつなぐというもの。音楽と映像が物語を進めるという考えがあったのですが、Stobe はもうちょっと話し合おうと言い、映像やイメージ、そして台詞による対話、これらがベストな結果をもたらすと断言しました。そして今この手に脚本があり、彼の言うことが正しかったと分かりました。プリ-プロダクションも驚くほどうまく進み、1曲1曲がジェットコースターのように捻れる私のアイディアが、Stobe のストーリーにスムーズにつながっています。13粒の真珠を Stobe に渡したら、それをネックレスに仕立ててくれたのです。

最終稿は執筆中だそうですが、現段階で明かせるプロットはありますか?

死の床に着く年老いた作曲家が幼少期へと帰り、そして古き思い出がゆっくりと戻り、幼い男の子が持っていた空想と音楽の世界と交じり合います。以上が今の段階で明かせるメインのコンセプトです。私はポジティブなメッセージと“carpe diem”の意味を伝えたい。生きることの喜び、そして世界の美しさ、それがこの映画のテーマです。

最初の特報ポスターは“Imaginarium”のビジュアルについてヒントになっていると思います。他に何か教えてくれませんか?

私たちが映像化しようとしているのは、Tim Burton(ティム・バートン)、Neil Gaiman(ニール・ゲイマン)、Salvador Dali(サルヴァドール・ダリ)のシュールレアリズムを組み合わせた世界です。ただし変に芸術ぶったものを作りたくはありません。もちろんものすごい量の作品を参考にしてますし、そのどれもが最高のものではありますが。

配役は決まっていますか? バンドのメンバーも登場するのでしょうか?

まだ始めたばかりですが、Stobe と Solar Films がかなり決めつつあります。個人的には無名の俳優でイメージが固まっていない人物が望ましい。もちろんネイティブの英語話者がいいでしょう。スポーツのラリーみたいな英語では映画のトーンに合わないでしょうから。

Nightwish が登場するのは基本的に自分自身としてで、恐らく2~3曲を演奏することになります。私たちのための場面や台詞も用意されますが、主役として出演することはないでしょう。80分の映像になると思いますが、もうちょっと長くなるかもしれません。

映画のための資金調達は今までと違い困難でしたか?

「困難」とは控えめな言い方ですね。こういった映画は7桁(億単位)が必要になってきます。ただ音楽だけが入ったアルバムなんてがっかりしてしまうでしょうから、諦めようとしたことなんて当然ありません。製作にはバンドも深く関わってますから、財政的なリスクもまた背負っています。なので Solar Films のような優れた企業をパートナーにできたのは素晴らしいことなのです。

映画の話を抜きにしても、“Imaginarium”が Nightwish のニュー・アルバムであることは何よりも大事なことで、これは独立した音楽作品です。聞く人の耳を引くであろうポイントとして、映画で聴ける音楽についてはアルバムの音楽と多少異なるものになるでしょう。映画はイントロが編集されていたり、コーラスに声が入っていなかったり、その他諸々。映画の中の音楽も同様にストーリーとドラマを内包するべきです。

ストーリーの中で歌詞はどのような役割を担いますか?

歌詞を書くのは、映像無しでも機能しなくてはならないものなので、面白かったです。例えば歌詞の中に登場人物の名前が出てこないのもそうです。個々が持つテーマは非常に普遍的なもので、本編の物語が敢えて語らなくともそれぞれが結びついています。でも心配はしないでください。すべてはやがて明かされることになるでしょう。

リリースの計画はどうなっていますか?

すべてが順調にいけば、アルバムのリリースは2012年初頭で、映画はその後に準備ができ次第です。DVD にはする予定ですが、出来れば映画館でも公開したいところです。もちろん“Imaginarium”としてアルバムと映画のダブル・パックも用意します。

もし“Dark Passion Play”が一つのゴールだとしたら、“Imaginarium”の後は一体どうするのでしょう?

匂いとかの感覚を取り入れるしかないかも……。

Nightwish.com