Tuomas' interview, for Metal Hammer Greece.

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Tuomasインタビュー (Metal Hammer Greece)

しばらく前にニューアルバムを聞きました。もしあなたが聴き手の側だったら、最初にどのようなリアクションをとるでしょう?

新しい要素が多すぎるから、アルバムをより注意深く、何度も聴く必要があると思う。このアルバムに興味を持つと共に、様々な変化に少しだけ「困惑」するかもしれない。

“Nemo”には3つのバージョンがありますが……全部買いそうですか?

正直言って、何も言うことはないよ。私たちは操り人形だ。別に問題もないが、私は音楽に集中したいし、バンドにとってベストになるよう、周りの人が決めていけばいいんだ(O_o) ともあれ、全部買っちゃうだろう。結局それぞれに違う曲が入っているわけだし。

今回は巨大なオーケストラと作業をしたわけですが、より複雑になっているのではないかと想像しました。

“Century Child”でオーケストラと作業をしたが、それは最高ではなかった。今回は採算を無視して最高のものにしたかった。彼らは“ロード・オブ・ザ・リング (Lord of the Rings)”、“ハリー・ポッター (Harry Potter)”などのサウンドトラックで演奏しているんだ。実際彼らは最高だし、Pip Williamsは全てを整理してくれた。

具体的にはどのような貢献がありましたか?

Londonへ“Once”のデモ録りに行ったんだ。彼に私が求めるものを伝えた上で、自由にやってほしいと言った。

彼は本当にすごいアイディアを出してきて、それを加えていったんだ。

彼はあなたの音楽をどのように考えていましたか?

彼は私たちの音楽を既に聞いていたんだ。彼はファン同然で、求めているものも即座に理解してくれた。「Danny Elfmanのような、Hans Zimmerのようなものが欲しい」と言ったら、すぐに分かってくれたよ。

スタジオで多数の著名ミュージシャンとコラボレートし、多数のグレートな楽曲を生み出した人物と作業をするのはいかがでしたか?

莫大な経験だ。初めてレコーディングに立会い、52人が私の作曲した曲を演奏し始めたときに感じたのは……みんなには想像もできないだろうね!

彼らはサウンドトラック用のクラシック音楽を演奏してるから、メタル・ミュージックが求める音に本当に驚いていた(笑)

「インディアン」の歌についても聞く必要がありますね。一番期待していなかったのですが、吹っ飛ばされましたよ!

おそらく今までに書いた中でも一番の曲だろう。いつもインディアンの文化と、人類の歴史の中でも最大の罪のひとつである殺戮と侵略について何かしてみたい、ということに関心があった。“Creek Mary’s Blood”はこの曲を書くインスピレーションを与えてくれた本だ。この本に登場するMaryは非常に年老いた女性(実在の人物)で、19世紀初頭の彼女の家族について語っている。インディアンのミュージシャンであるJohn Two-Hawksに、私が本当に求めているものを得るために協力を仰いだ。大変な名誉だよ。

彼が物語を語る部分ですが、正確にはどのようなことを言っているのでしょうか。たとえ内容が分からなくとも、非常に心を動かされるものでした。

「家族は今でもここにいる」とLacota語で詠唱しているんだ。特に喋っていない部分でも、中間部などでフルートを吹くことでも詠唱している。エンディング近くでもLacota語で詩を読む。それは私が書き、彼が訳したもので、白人がインディアンの土地を要求しようとも人々の魂はそこで永遠に生き続ける、ということについてだ。彼はこの詩を読めて光栄だと言っていた。とてもいい友達になれたよ。儀式を行って、インディアンの名前ももらうことが出来た。Shadow-Wolfというんだ。彼の祖先の一人が白いふくろうの姿で夢に現れてこの名前を伝えてくれたと言ってたよ。

サウンドトラックのような感じがする曲が多いです。映画のための曲を作ることに興味はありますか?

それがミュージシャンとしての一番の夢だ。50歳になったらNightwishでプレイし続けてないだろうけど、映像と音楽をミックスするアイディアが大好きだから、おそらく映画やドキュメンタリーなどの音楽を手がけているんじゃないかな。“Once”でやったことがそれだけどね。自分の心の中では、11本の短編映画を創ったんだ。曲をリスナーとして聴いてみたかったよ。

サウンドトラックとしてどんな映画を作曲することを夢見ていますか?

ディスカバリー・チャンネルって知ってるかい? そのチャンネルのドキュメンタリーや、そのバックで流れる音楽が大好きなんだ。Luc Besson(リュック・ベッソン)の「Atlantis(アトランティス)」のような映画の音楽だ。90分に渡る深海の映像と音楽。当分の間はNightwishが興味の中心だけど、もしそうでなくなった時はそういうのに挑戦したいね。そのチャンネルはいいよ。Pip WilliamsはHans ZimmerやJohn Williamsといった人たちと仲がいいんだ。彼にテープを送ればプロモートしてくれるだろうし、将来に向けての最初のコネになると思う。

初めての北アメリカ・ツアーに向けて準備をしているんですよね?

そう。不思議じゃないか? アメリカでヘッドライナーのツアーを行うなんて、あまりにも突然だった。何が起きてるのか分からないよ。アメリカの人たちはいつもアメリカのバンドに「夢中に」なってる。多分……Evanescenceの成功があって……物事が始まったんじゃないかな……。分からないけどね。おそらく女性の声という類似点があったんだろう。そういう風に見られたら全体的なポイントを見失うんじゃないかと、もし自分でなかったら興味が湧くね。