Studio 5 : Nightwish's studio-diary for the new album

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スタジオ 5

2004/2/25

この頃の写真

Cheers guys 'n gals!

この1月の29~30日、初めてのオーケストラ/クワイア/パーカッションのレコーディング・セッションのため、ロンドンに行ってきた。2日間の成果は、無謀とも思える期待をさらに超えるものだった。ミュージシャンたちは信じられないほどに美しく、情熱的な演奏をした。それもリハーサル無しで。彼らのミュージシャンシップは、永遠に理解できないであろうほどのものだった。Pip Williamsもまたアレンジにおいて素晴らしい仕事をしてくれた。アルバムの全11曲のうち、このロンドンのギャング達の演奏は9曲聴くことが出来る! 次回のセッションは次の日曜日、アルバムはもうミックスが出来る段階になろうとしている。

TarjaとMarcoの歌も、Finnvoxで2月の初めには既に終えた。このプロセスは非常に順調に進み、彼ら二人とも今まで以上の歌を歌ってくれた。実は少しだけTarjaの声を使って実験をしたんだけど、結果は素晴らしかった。今まで一番最低なボーナストラックの1曲を除いてね。

今はまだ残っているキーボードとピアノのパートをプレイしている。オーケストラやボーカルを入れた後のほうが良さそうだと気づいたから。

ビデオ“Nemo”の編集もいい具合で進んでいる。カバーのアートワークも完成した。新しい写真も撮っているから、作品全体が素晴らしい結果になるだろう。

中華料理にアルコール、Helsinkiのナイトライフ、お互いに閉口させられるような仲間、レコーディング中はそんなものを大量摂取して楽しんでいたよ(この2ヶ月間、目が覚めるといつも隣にTeroがいたから、なんだかアソコが痒くなってきた)。それで気づいたんだ(神聖な精神状態、体調でね)、我々が決めたカバーソングについてMarcoが本当はどのように考えているのかということを。ある程度は彼に同意しなければならない、Haha!

Nighttime wishes,
Tuomas

2004/1/23

この頃の写真

morjens!

最後のレコーディング・セッションが1月23日深夜に終わった。伝説的GMEの聖歌隊が、ちょっとだけ甘く、そして本当にメロディアスな声を次のアルバムのために録音する番だった。どれだけスウィートでメロディックな声なのか、このビデオ・クリップで確かめてほしい。(Tohmajarv、ありがとう!!!) この3曲はこんなに甘いアイシングがあるんだよ。:) 大きく成功したこのセッションが終わり、KiteeのKarhuバーで“after-recording”パーティをしたよ。この夜のヒットは絶対に“ウィスキー=バナナ=コーラ”!!!

TeeCee

2004/1/19~20

この頃の写真

非常にリラックスしたムードでTero、Tuomasと一緒にボーカルの練習を始める。本当に最初の頃は一緒に新曲を手がけ、わたしは確かに大きな驚きを覚えました。全てはカオスでしたが……皆さん、注意しておくべきですよ! =) このセッションの基本的な感じは、メロディ・ハーモニー・歌詞をどのようにするか考えることでしたが、2日間の間に8曲をすっかり終わってしまいました。Finnvoxスタジオに入る前に終わらせることができて良かった。(何も知らずにスタジオに入るのはいい考えじゃない!) とにかく、レコーディングの間Mikko Karmilaが過ごす数日間、わたしが聞く/学ぶことは非常に衝撃的なものになるかもしれない。準備の終わらないマテリアルと「リスキーな」選択はまだいくつか残っていて、スタジオでの楽しみはたくさんありそう。昨日は自身笑いすぎて死ぬ寸前でした。

まあ、何が言いたいのかというと、ロック・ミュージックをこれだけ楽しんで歌い続けられる限り歌い続けてられるだろうということ。少なくとも何回かは……そんなに多くはないかも……あまり充分ともいえないかも……いや、ほとんどないかも……忘れておいてください。

Tarja

2003/12/29

この頃の写真

フィンランドの南海岸からこんばんは。この場合の「南」というのは、単に地理的に南のほうってことだ。風はまるで嵐のよう、海面は雪解け水と雨で膨れ上がっているよ。俺は家の中だけどね。ここならとても暖かく、瞬くクリスマス・ツリーもある。俺の双子はプレゼントのおもちゃの車で遊んでいる、俺はというと、休暇の間ずっと食べまくって腹が膨れてしまってるよ。

クリスマス前の1週間、Kiteeに行ってニュー・アルバムに向けてベース・パートを録ってきた。かなりいいセッションになったよ。3日間集中してレコーディングして、翌日サウンドチェックをしていた午後のこと。いつも俺たちは昼に休憩を取り、昼飯を食べたあとプレイ・ステーションで遊ぶのが日課なんだけど、俺は何度も何度もひどいヘマばかりしてしまった。これは愛しいファンのみんなに対する復讐になると思う。ベース・ラインもサウンドも酷いものになるからね。みんなが公平に理解してくれることを望むよ。アルバム自体はすごく良いものになりそうだ。Emppuもたくさんのリフを録り終えていて、俺の聴く限りは彼の脳みそと手はとても良いコンビネーションのようだ。彼の立派な胴体を通してたよ、もちろん。

新年に向けて――全員ロックすることを約束しろよ!!!!

2003年12月29日Helsinki、Finland。

Marco Hietala

Jukkaの1週間

ドラム1日目

JoensuuからHelsinkiまでの移動はいつもながら本当に拷問だ。電車の中でできることには2つある……飲むか眠るかだ。眠れそうになかったけど……。

Helsinkiに到着するとEwoが迎えに来てくれていて、これから1週間俺たちの家になるHelkaというホテルまで送ってくれた。この時点ではすべてがすばらしく思える。明日10時に開始の予定を立てた。まずはドラムのヘッドを持って、GAS氏(HIMのドラマー)のところへ行く。彼はドラムの音作りを手伝ってくれるんだ。ここ1週間彼のことは聞いてないけど、彼は現れてくれるだろう……そうだといいけど。

ドラム2日目

すごくいい音だ! 俺たちは新しいアルバムのドラムの音はちょっとだけ「自然な音」にしようとしたんだ。すこしだけリアルなサウンドにするため、サンプルを少し背後に溶け込ませる。だから今回は欲しい音を作り上げるためにたくさんの時間をかけたんだ。GASは本当に多大な貢献をした。でも俺たちは心配してたんだ。正午になっても彼の家に到着できなかった上、彼が本当に来てくれるのか分からなったから。でも最終的には彼は来てくれて、すごくいい仕事をしてくれたよ。明日は1曲を繰り返し3回レコーディングする予定を立てた。このスタイルはRammsteinがKotiteollisuus(偉大なフィンランドのバンド)になる、と言い表すことができるかもしれない。紛らわしいかもしれないけど、これがいま俺ができるベストさ!

ドラム3日目

ドラムセットの陰にいる一日。朝一番に俺たちは、サウンドを最終レベルにするため秘密兵器を追い詰め捕らえる必要があった。それは……ディクタフォン! 店に行っても「取り扱ってません」という返事しかなく、俺たちはほとんどギブアップの状態だった。でもラッキーなことに俺たちはその悪魔の発明品がAnttila(スーパーマーケット)で売られていることを知ったんだ。それでE Rytkonenさんが買いに行ってくれて、タクシーでFinnvoxまで持ってきてくれたんだ。そしてその機械のプラグを挿し、バスドラムの中に入れた。うん、これは俺が普段ディストーションと呼んでいる音だ。

俺は本当に満足しなければならない。いくらか遅れはしたけれど俺たちはゴールに到達し、すばらしい音はまさにRammsteinビート……もしくはそう呼ばれるべきものになったから。

ドラム4日目

この日の結果は少しダメなテイクと少し良いテイクをいろいろ取れたことだ。手と足が同時にドラムヘッドを叩くってのは本当に大変なことだ……結果3曲が完成した。折り返し地点だね。

このセッションのために買った4枚のハイハットがBスタジオ(Finnvox)の隅で見つかったシンバルに取って代わられたこと、西暦元年に作られたような代物だったこと、やかんの蓋のようにかなり接近しているように見えたこと……これを知ってかなり憂鬱だ=) 幸いにも俺の新しい親友small ThinChina――これが非常にいい音だと判明し、こいつの切り裂くような音はたくさんの曲で聞かせられるだろう。買ったもの全てではないけれど、無益であるということを知るのはいいことなんだね。

ドラム5日目

2ヶ月間Teroを悩ませていた種がようやく現れてきたようだ。俺は頭が空樽のようになって物事に集中してしまう問題がある。明日にはよくなっているといいけど。今日は3曲を終えたが、完全に拷問だった。何度も何度もテイクを録ってるのになるべき音にならない。GOD DAMN!!!

ドラム6日目

昨日よりも調子よく、さらに3曲を終えた。明日は1曲、カバーソングを残すだけ。まだ分からないけど、俺たちはほぼ楽しんで終えることが出来るだろう。おそらく実際のアルバム上ではそのようにはならないだろうけどね。今日は重い足を引きずってSpineFeastでヘヴィな曲を聴かなければならない、いや見なければならない。もしこれ以上混乱し始めるようならホテルにいたほうがましだ。頭が混乱してる酔っ払いドラマーは誰から見てもいい仲間にはならないだろうからね……でも1~2時間後には何が起こるかわかるだろう。

ドラム7日目

最初のテイク、カバーソングだ。俺にはこれが酔っ払っているせいなのか(そう、昨晩俺たちはSpineFeastにいたのに気がついた)他の何かなのか分からない。そうでなければ目標は以前のように高いところに置かなかっただろうし、ちょっと不正確なプレイをしても困ることはなかっただろう。さあ、荷物をまとめて家へ帰ろう。

2003/11/5~11/10

この頃の写真

やっほー! 俺たちの新しいスタジオから挨拶だ。この新しいスタジオでNightwishの新しいアルバムを作り始めてから、仕事と楽しみに満ちた1ヶ月だったよ。デモをレコーディングした結果12曲が完成、そしてTuomasがさらに何曲か作曲しているところだよ。

すべてが順調に進み、みんなは古き良き「メタラー」としてそれぞれの役目をこなしたんだ。テイクのいくつかはよくできていて、おそらく前作を超える作品に仕上がるだろう。(特にTarjaとMarcoの歌はすごすぎてこれ以上のパフォーマンスは二度と期待できないと思わせるほど……)でもしなければならないことはまだたくさんあるんだ。というのも、ドラムのレコーディングが1週間伸びてしまってね。でもKarmilaとFinnvoxのスケジュールが空いてたのは幸運だった。それで今はJukkaとTuomasがリハーサルをして、歌と編曲に最後の仕上げをしてるんだ。

曲はNightwish史上最高、俺たちはとても期待してる! 同じことをみんな知っているから、NWキャンプから熱意がすぐ感じ取れる、臭いも・・・。で、デモはもう終わり、みんな実際のアルバムでの演奏に飢え、切望してるよ!

Yours, Tero “TeeCee” Kinnunen

追伸:スタジオの名前がまだついてないんだ。提案は大歓迎だ!

2003/10/20~11/4

さて、デモは完成し、ようやくまとめることが出来たようだ。いくつかの曲はレコーディングの準備が出来ているが、リリースまでに多くの仕事、涙、眠れない夜が必要な曲もいくつかある。程度の差はあるものの全ての曲がうまく行っているけど、そのうち何曲かは他の曲に備わった「あるもの」が欠けている……創造的なアートって難しい=) でも自信を持たないとな!!! ひとつ気付いたのは、今までに無いほどテンポの幅が広いということだ。デモをレコーディングするまで気付かなかったけれども、12曲全てが別のテンポだ。

Mr. TeeCeeが今回の日記を書く予定だったようだけど、彼はデモの最終ミックスで忙しかったのでMr. TeeCeeの偉大な想像力を失わせることのないように、いくつかコメントを書くことにした。

Jukka

2003/10/14~10/19

Cheers!

たった今Kiteeに到着し、スタジオに向かっているところだ。先週は南フィンランドで時を過ごしていたんだけど、その間、男どもはそれぞれドラムス、シンセ、ベースのデモを録っていたんだ。すぐにスタジオは糞と二日酔いの臭いがし始めた。もっとも、それは男どもが熱心に働いたということなんだが……。最初にデモを聴いたが、これまでのところは上手くいっているようだ……ギターのレコーディングが終わるまでそこにはギターの音は無い、という事実が残されているが。と言うわけで数日間は自分のパートを録音する。自分の経験から言うと、少なくとも1週間はかかるだろう。でも気楽にやるためには、まずは自分の武器をチューニングしてみる。ロックンロールと言うには買いかぶった行為だけど。これからは連絡を取り合って、俺たちが何をやってるのかみんなに知らせるよ!

Eli AAARRRGGG ROK DIE DIE!!

Emppu Vuorinen

2003/10/11~10/13

この頃の写真

基本的なリハーサルは、もうほとんど終わりそうだ。2日間を費やして何度も何度も演奏して曲に最終的な手を加え、ようやくデモのレコーディングを終えることが出来ると感じられそうだ。このプロセスにはもっと多くの時間が必要だと実感するが、その一方でずっとそれらの曲に(時にはバンドに対しても)携わり続けるのは、自分自身本当に飽き飽きしている。いつものことだが、新しい曲に対してなかなか公平にはなれない。今日は新曲の中の2曲が本当にごみのように感じられたし、他の曲だって背筋がゾクゾクするようなことがまったく無かった。And nobody`s into that Kake Randelin - wannabe song except me... Haha! でもそれは今までのどのアルバムだってそうだっから、またよく聞こえるようになることを願ってるよ。

叙情的欲求不満を抱きつつ、夜も明ける頃だ。Cherers。

Tuomas

2003/10/6~10/10

スタジオ奥地から曝す番が回ってきたのでそうしてみよう。この3日間Tuomas、Emppuと作業をして、10曲ほどはデモ録音の準備が大体出来た。明日はオフをとって脳みそを情報洪水から回復させ、日曜日にまた続きを行う。曲は複雑でフックが多くなっているが、“Century Child”のときと比べると作業は幾分気楽だ。俺たちの能力が向上しているに違いない。あるいは判断基準が完全に狂っているかもしれないが。アルバムがリリースされれば人々が判断するだろう。今日は8月のショーの時にスイスに忘れてきたスネアを取りに戻った(聞いてくれ。俺の親友のせいでスイスに置いてきてしまったんだ=))。持ってくるのに関税を払わなければならないところだったよ。それというのもEwoが取りに行ったときに誰かが「スネアはEU外のものだから関税を払わなければならない」って彼に言ったからなんだ。幸いEwoが話し合ってくれて、もう払う必要はなくなった。そのメタル・ピースには既に関税を払ってあったからね……。

諦めず、ユーモアを持ち続け、パンツには糞を……=)

Jukka

2003/10/3~10/5

この頃の写真

湿った風吹くKiteeの町からこんにちは! 4日間の徹底リハーサルを終えたところで、いまのところは順調にいっている。デモのレコーディングは8曲を完全に終えた。みんな新曲に対して本当に熱心だ。みんなが少しずつ曲にアレンジとフックを加えていって、どの曲もいいものになってきているようだ。Tarjaが既に書いているように、俺は酷いインフルエンザにかかってしまってすごい量のガーリックが消費されていっている。金曜の夜、とてもポジティブになれない唯一の出来事が起こったんだ。俺たちは何杯か飲んで深夜になり、俺はTeroの家の居間で眠っていた。Tohmajarviから来た友人は台所で酔いつぶれていたんだが、彼は起きると花瓶を割り、そこらじゅうに汚いものを吐いてしまった。そしてそれがついた足で居間に入ってきて俺の顔を踏んだ。うんざり。そいつはまたひっくり返ってしまって、結局俺とTuomasがそこを掃除する羽目になってしまった。Tuomasもうんざりしていた。幸いきれいになって元通りになったが。1週間以内に厄介事はまた起こるんだろう。それまでは……いつも清潔に!

Marco Hietala

003/10/2 - スタジオから第一報!

Kitee Monttu

テーブルに乗ったピザのガーリックの匂いが強い。幸いビールの匂いはそれほど強くはない。Marcoのインフルエンザとバクテリアはもっと強い匂いが必要としてるけど……。ちょうど1時間前から3曲をリハーサルしたけど、その音はとてもいい感じだ。とてもポジティブな力を感じるし、みんな新曲をもっと知ろうと強く考えている。スタジオに行く前にwきれいなテーブルw。を買うために旅行をちょっと休んだのが良かった。新曲はどんどん変化していて、それを頭に入れるのは容易なことじゃない。でも少なくとも2曲は望むとおりの音になったし、ヘラジカのようにロックしている! 2~3週間のうちには歌入れをすることになってるので、わたしはまだなにも歌ってない。新曲のうち少なくとも1曲は“Oceanborn”の頃に戻ったものになるだろうけど、それはポジティブなことだと考えている。あと数時間、あと数曲を終えたらサウナでゆっくりリラックスしに行く。秋の寒さで指が凍るのは、ヘヴィ・ミュージシャンにとってはいいことではない!