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2005/11/09

Tuomas インタビュー

ドイツの雑誌Orkusに掲載されたTuomasとのインタビューです。以下、その概要になります。

今回の決定は今までで最も難しいものだった。

Nightwishは単なるバンドではなく、大きな家族のようなもの。音楽、友情、そして共に旅をしそれを楽しむような精神的な繋がりをもっている。それをみんなにも分かって欲しい。 しかしTarjaの価値観やアティテュードは我々からどんどん遠ざかっていった。

この決定に至った理由はひとつではなく、様々な要因がある。彼女のバンドに対する考え方、目標、価値観、次のアルバムを最後にしようとしたこと、ツアーはやりたくないと言ったことなど。

今は苦痛と希望と安堵が入り交じった気持ち。このような終焉は、バンド全体にとっても、もちろんTarjaやファン、その他全員にとって悲しいことだ。 しかしこの傷は時が癒してくれると信じている。人間関係は、この件を見ても分かるように人生で一番難しいもの。醜い離縁だ。

Hartwall Arenaのギグは今までで一番難しいものだったが、全てを忘れて臨んだ。演奏、アリーナ、ビジュアル・エフェクト、そしてファンのみんな、数多くの夢が叶い、全てが最高のものになった。だが、初めてステージで涙を流してしまった。様々な理由で。

公開書簡は3週間前に書いた。その時DVDに“End Of An Era”と名付けるのがふさわしいと思った。

(何故ツアーの余韻も楽しまないうちに手紙を渡したのか。少なくとも翌日で良かったのでは。と言う問いに)彼女にはインターネットで目の当たりにするよりも、直接手渡したかったから。最後の夜を、彼女の喜びを奪いたくなかった。付け加えるなら彼女もパーティに来て欲しかった。しかし、彼女はライブ終了直後、その日の内にアルゼンチンへ行こうとしていた。そして手紙を渡し、抱きしめ、明日読むように告げた。

このようなやり方をしたのには多くの理由があり、様々な説明の仕方がある。これ以外の方法はあり得なかった。みんなに言えることは、「私を信じてくれ」というだけだ。私の判断は正しい。もしTarjaの脱退を「意見の不一致」などと発表したら、巷は噂で溢れかえり、来年に至ってもインタビュー漬けになっていただろう。Tarja側からアクションがある可能性もあったが、まず自分たちから真実を明らかにしたかった。

お互いに1年ほど会話をしていない。何度か話そうとしたが悪夢だった。彼女は、まず目を開くことが必要だ。自身のために、事実をはっきりと理解するべきだ。話し合いによって解決するようなことではない。彼女は自分自身で全てを行っていた。彼女と会うのはショーが始まる15分前。インタビューに答えることもなく、サウンド・チェックに現れることもない。ショー直前に完璧にドレス・アップした姿を見せ、ショーが終わったら車に直行してホテルへ行ってしまう。これでは話すこともままならない。次に会えるのは次のギグの時だけだ。

彼女は私たちと旅をしたがらなかった。バスや車での移動をしたがらなかった。一緒に食事もしようとしなかった。彼女も最後の数ヶ月間はインタビューに答えた。そこで自分のソロ・キャリアのことや、Nightwishは自分のやりたいことではないし、自分の声でも自分の音楽でもないと語っていた。そのような言葉に大変傷つけられた。結局彼女はゲスト・ミュージシャンに過ぎなかった。

あの手紙に個人的なことを書いていたとは考えていない。最初はもっとパーソナルなことを書いていたが何度も何度も書き直した。夫を引きずり込んだと非難されているが、夫として批難しているわけではない。彼自身はとても思いやりのある、見事な人間だ。だがマネージャーとしての彼が全ての元凶。何故私たちがこういう道を選ぶことになったのか、みんなに理解してもらいたくて話している。

これはジョン・レノンとオノ・ヨーコの話に似ている。わたしとTarjaの間にある巨大なアルゼンチンの壁のせいで近づくことさえ難しかった。彼女にメールを送ってもSMSと送っても返事は英語。Marceloからだ。

アメリカやオーストラリアのギグを、会場が小さすぎる、チケット代が安すぎる、と言ってやりたがらなかった。それが彼女のアティテュードだ。「わたしにはもうNightwishとしてのキャリアは必要じゃない」「いつかバンドを辞めるから」この言葉を聞いた時、背筋が凍った。彼女は古くからの友人だが、そんな人間だったとは。それが彼女のバンドに対する姿勢だ。信じられない。

シンガーを失っただけではなく、一人の友人も失ってしまった。

手紙を読んでもらえば、彼女への怒りではないことは分かって貰えることと思う。彼女を憎んでいるのではない。最後の1年間は憤然としていたし、今もそうだ。とても悲しいことだし、がっかりしている。私の知っているTarjaではない。他の誰かのようだ。

ショックを受けているとTarjaが語っていたのに驚いている。物事は悪い方向へ向かっていたし、彼女もそれを分かっていたと思うが。

Tarjaがなぜ交代することになったか、それをファンに理解して欲しくて手紙を書いた。NightwishがTarjaのバンドで、Tarjaが全ての曲を書き、インタビューも全てTarjaの言葉だと思っている人がとても多い。しかし1時間半のステージ以外での彼女の貢献は、この1年なかった。だが、彼女を責めることはない。

それでもロードを続けて来られたのは、お互いに支え合ってきたから。バンドは本当に緊密になった。クルーやマネージャーも含めて一つの大きな家族で、このツアーは一番の時間を過ごせた。

(あなたはNightwishの魂だが、Tarjaの声はバンドの顔だった。背を向けるファンは多いのでは、との問いに)それには逆らえない。そういうファンは多いだろうが、それを批難することはない。TarjaはNightwishのイメージを作り上げたが、バンド全体でNightwishだと理解してくれる人が多いことを願う。Tarjaは間違っていなかったし、実際に上手くいっていた。これは一つの時代の終わり(end of an era)であり、新しい時代の始まりとしたい。

バンドの未来や、シンガーが見つからないことへのおそれは感じていない。素晴らしいシンガーが見つかることを確信しているし、新作への自信もある。最大の関心事はTarja自身とバンドのメンバーがこの状況にどう対応するか。Onceはミリオン・セラーになったが、自分自身は10万枚しか売れなくてもどうでもいいから。

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